さがんぼの煮つけ
出典: 農林水産省ウェブサイト「うちの郷土料理」
出典リンク: https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_5_tochigi.html
海なし県栃木では、冷蔵庫が普及する以前、海の生魚といえばサガンボ(アブラツノザメ)やモロ(ネズミザメ)と称されるサメ類を食べた。サメは、体の中に尿酸を蓄えており、命が尽きると尿酸が分解しアンモニアへと変化して腐りにくくなり保存が利くからである。
栃木県内で流通したサガンボは、もともと北茨城の漁港で水揚げされたもので、漁港では高値で売れるヒレや皮を取り除き、紡錘形になった身の部分を内陸の栃木県に出荷した。「サガンボ」という特徴的な名前は、北茨城から栃木県北東部あたりの方言で、紡錘形の氷柱(つらら)のことをさがぼうとかサガンボと呼ぶことが由来。江戸時代に全国の方言をまとめた『物類称呼(ぶつるいしょうこ)』によると、サメについて「下野国宇都宮周辺にてはさがぼうとよぶ」との記述があり、栃木県でサメを食べるようになった歴史は古い。
日本近海でも比較的寒い地域での漁獲量が多いとされるアブラツノザメは、一年中漁獲されるが、特に12~2月のものは身のしまりがよい。「さがんぼの煮つけ」は、かつては冬の定番料理であった。一晩おいて出来上がった煮こごりも美味とされる。現在では栃木県内全域で親しまれているが、大田原市周辺では正月などの「晴れの日」の料理としても食卓を賑わせる。サガンボの切り身を、醤油、砂糖、みりん、酒を合わせた調味料で10分ほど煮込む。最後に千切りにしたしょうがをのせる。
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例: 出身地「東京」 料理名「味噌カレー牛乳ラーメン」の場合